ガスクロマトグラフ オイルに混入した燃料分の測定

ガスクロマトグラフィーとは

ガスクロマトグラフィー充填物をつめた分離管内で混合物を、キャリヤーガスにより展開させて分離する方法です。固定相に固体粒子を用いる場合を吸着クロマトグラフ ィー、液体を担体にコーティングした充填剤を用いる場合を分配クロマトグラフィーといいます。

現在では後者の方が主流で、まず試料はキャリヤーガスとともに分離管に送り込まれ、吸着性または気相と液相との分配係数の差により分離され各成分はピークとして記録されます。ピークの保持時間から定性成分を、またその面積から定量分析を行うことができます。

 

ガスクロマトグラフィーによる燃料分の測定

使用ディーゼルエンジン油中に混入した軽油分、またはガソリンエンジンに用いたクランクケース油のガソリン希釈率をガスクロマトグラフィーにより測定します。

軽油分:内標準物質(n-デカン)を除いたn-ノナデカン以前に留出する成分の合計を求めます。
ガソリン希釈率:内標準物質(n-テトラデカン)を添加した試料をガスクロマトグラフにかけ、試料中の内標準より低い沸点留分と内標準の面積比から希釈率を求めます。

 
 
 

燃料希釈の影響

燃料が燃焼せずにエンジンオイルに入ること、すなわちオイルが燃料で希釈されることを燃料希釈といいます。燃料がオイルに混入した場合、引火点および粘度が低下します。そのため燃料分を測定することにより、使用オイルの性状や交換時期判定の目安を管理できます。

【一般的なオイル性状変化の管理基準】
燃料希釈
日本自動車輸送技術協会:5.0mass%以下
石油メーカーの一般的目安:5.0mass%以下

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