不溶解分測定 遠心分離によりペンタン及びトルエン不溶解分を分離する

A法:凝集剤を用いないでペンタン及びトルエン不溶解分を定量する方法

遠心分離機
不溶解分にはn-ペンタン不溶解分とトルエン不溶解分があり、いずれも 試料をn-ペンタンもしくはトルエンに溶解させ遠心分離機にかけて不溶解分を分離後、質量%にて結果を報告します。

オイルに分散性能がある場合、カーボン粒子が分散している為、一部の分散していない粒子のみが数値として出ます。
数値が低ければ、それだけエンジンオイル中へのカーボン等の不溶解分を抱きかかえる能力がある為、エンジン各部 へのカーボンの付着が少ないことを意味しています。

B法:凝集剤を用いて、清浄分散剤を含む油のペンタン及びトルエン不溶解分を定量する方法

テスト法は上記と同じですが、n-ブチルジエタノールアミンと言う凝集剤を加え分散剤の能力を殺して不溶解成分量を測定します。

この方法で測定するとエンジンオイルの中に含まれるすべてのカーボン量が測定できます。分散能力に関係なく全体のカーボン・スラッジ量を測定したい場合に使用します。

各不溶解分について

【ペンタン不溶解分】
潤滑油とペンタンとの混合溶液を遠心分離して得られる不溶性物質です。油に不溶な物質及び油または添加剤の劣化によって生じた油に可溶な樹脂質からなります。

【トルエン不溶解分】
ペンタン不溶解分中のトルエンに不溶な部分です。
①外部からの混入汚染物質
②燃焼によって生成したカーボンおよび燃料、潤滑油並びに添加剤の劣化によって生じた高炭化物質
③摩耗および腐食によって生じた物質です。

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